2006年8月発行

オオウラギンヒョウモンの生息状況の変化
赤:すでに絶滅 青:まだ生息


| チョウが減っている! という現状があるのですが、その原因は種類や場所によってさまざまです。 チョウのすんでいる場所が道路、宅地、観光などよって開発されてしまったり、森林が伐採されてしまったりして、すむことができる場所が失われてしまったことはわかりやすい原因です。 もう一つは、人が伝統的に利用してきた草原や雑木林などの環境が、人が利用しなくなったことによって変化してしまったこと、があります。 チョウが減っている原因は大まかにこの2つがあげられます。 そして、特に2番目の草原環境に生息しているチョウがもっとも絶滅の危機にあります。 環境省のレッドデータブックを見ても「絶滅危惧T類」の種類のうちのチャマダラセセリ、クロシジミ、オオルリシジミ、シルビアシジミ、タイワンツバメシジミ、オオウラギンヒョウモン、ウスイロヒョウモンモドキ、ヒョウモンモドキが草原に生息するチョウであり、いかにこれらのチョウが少なくなったかがわかります。 森林性のチョウでは、ゴイシツバメシジミ、オガサワラシジミ、ルーミスシジミなどのような原生的な森林に生息する種が、森林の伐採および植林や各種の開発によって生息地が破壊され、絶滅の危機に瀕しています。特にオガサワラシジミはグリーンアノールという北アメリカより移入されたトカゲによって補食され絶滅寸前であるとされています。 また、ギフチョウやオオムラサキのように里山の落葉広葉樹林に生息している種については、森林の手入れが行われなくなったり、開発などによって減少が進んでいます。 |
![]() 草原性のチョウが現在でも多く見られる長野県開田高原では、農地周辺の採草地が火入れや草刈りによって維持されています。 ![]() しかしながら、そうした草原も必要なくなり、植林によって年々減少しています。 |

チョウが減っているということは、自然環境が現在、大きく変化していることを意味します。
チョウが自然のすべてを代表している訳ではありませんが、チョウを守るということは、チョウ1種を守るだけではなく、広くそこに棲む自然環境をまもっていくことにつながります。
特に、最近では、「里山」の問題が良く取り上げられていますが、チョウでも減っている種類は里山に生息しているものが多く、里山環境の変化にたいへん敏感なのです。
このように、チョウは自然環境を見るものさしの一つとして、たいへん重要なのです。
例:ヒョウモンモドキと里山のつながり
文環研ジャーナル→http://www.bunkanken.com/journal/article.php?id=85

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